しばしば誤解されていますが、学習障害はいわゆる知的障害とは区別して考えるべきものです。もちろん、知的障害を抱える子どもが、学習障害を併発している事例は少なくありません。世間一般の学習障害に悩む人の大半が、脳機能の認知に障害を抱えているのです。
しかし、だからと言って看護師は必要以上に学習障害の人を特別視したり、全面的な生活支援をしたりすることは避けましょう。あくまで学校や仕事の足かせになっている課題の克服を、第三者の立場からサポートすることが、看護師としての役目です。
例えば、情報処理の脳機能に障害を抱えている子どもに対して、看護師は感情的に叱責してはいけません。どうすれば自分の助言を少しでも伝えられるのかという視点に立ち、自問自答することが大切です。学習障害では、聴覚自体は正常であるケースも少なくありません。口頭で一度に大量の情報を伝えられると、正確にそれを読み取って処理するのが困難なのです。
視覚優位の学習障害の場合は、図画でアドバイスを説明するのが効果的です。紙のメモ帳やホワイトボード、タブレット端末などをカウンセリングの場に用意します。口頭での説明書は最小限に留め、後は紙や端末などに書き出したイラストやグラフ、キャラクターなどを使ってアドバイスするのです。
カラフルな色やわかりやすいアイコンなどを用いて説明すれば理解スピードが上がり、看護師が伝えたかったニュアンスが正確に伝達できます。工夫次第で、仕事のクオリティーは上手く引き上げられるのです。